『フェムテックジャパンアワード2022』シルバー受賞! 腟内フローラを研究し受賞となった、『racine』へインタビュー

2022年12月8日に開催された『フェムテックジャパン2022/フェムケアジャパン2022』内で発表された『フェムテックジャパンアワード2022』。多くの投票によって選ばれた受賞ブランドにインタビューを行いました。

Silver(銀賞)を受賞したのは、『racine』の第一弾商品となる『腟美容液 coreserum』。2022年6月に誕生したばかりですが、多くの支持を集めました。代表の叶くるみさんに開発背景についてお話しいただきました。

不妊治療の経験がブランド誕生のきっかけのひとつに

raciné -core serum- 膣の常在菌バランスを整え、トラブルのない健康な状態へ導きます。 ラクトバチルス菌培養液、ヒト幹細胞培養液、ヒアルロン酸配合で内側からあふれる美しさへ。

―『racine』が誕生したきっかけを教えてください。

大きくふたつあります。ひとつ目は私自身が経験した不妊治療です。顕微受精まで行ったのですが、なかなか授かりませんでした。

その時にいろいろ調べたのですが、身体的には不妊につながる要因が見当たらず……。不妊の約4割は原因不明というデータもありますが、私自身がそうだったんです。同時に、フェムテックについても調べ、正しいデリケートゾーンケアも始めました。心掛けていたことは、いい菌を取り入れる、血流を促す、保湿です。

その結果、自然妊娠し、「デリケートゾーンのケアはすごく大事!」ということを、身をもって体験しました。

―そうだったんですね。ふたつ目の理由はどんなことですか?

ふたつ目は、化粧品会社で企画職として働いていたことが理由になっています。キレイになりたい人のために化粧品をお届けする仕事ですが、肌表面のケアだけではどうにもならないこともあると感じる機会が多々ありました。例えば、高いスキンケアを使っていても、生活習慣や身体の内側の状態がよくないと、肌は整っていきませんよね。

表面的なことではなくて、もっと根本的な解決策があるのでは……と思った時に、インナービューティだと思いました。そして、私自身の経験も踏まえて、フェムテックの領域でも内側からキレイにすることを意識して、『racine(ラシーネ)』を立ち上げました。

表面的ではなく、根本的な解決が重要

【Silver】racine 腟美容液 coreserum 日本事業開発株式会社

―『racine』はなかなか聞きなれない言葉ですが、どんな想いが込められていますか?

『racine』は、フランス語で根という意味があります。根本治療、根本解決を目指したいので、外側からだけではなくて、内側からキレイになる提案をしたいと思っています。また、デリケートゾーンをケアしている女性は、自分を大切にする習慣があることで自信をまとっていると思うんです。その自信も内側から湧いてくるものだと思いますし、美しさにもつながることだと思います。心身ともに根本的なことを大切にしてほしいという想いを込めています。

―今回受賞した『腟美容液 coreserum』が『racine』の第一弾商品ですね。

はい、松本智恵子先生と共同開発した商品です。まだ誕生して間もなかったので、受賞できたのは驚きでした。嬉しかったです!

共同開発者である松本先生は、私が不妊治療している時から学ばせていただいている先生です。腟内環境、腟内フローラにとってラクトバチルス菌が多いことが重要なことから、ラクトバチルス菌培養液は全成分の79%、根本的なエイジング成分であるヒト幹細胞培養液、ヒアルロン酸などを配合しています。

腟内に注入できる設計ですが、苦手な方もいらっしゃると思いますので、その場合はデリケートゾーンケアの美容液として取り入れていただくことができます。

―フローラといえば、腸内フローラを思い浮かべることが多いと思うのですが、菌の多様性が必要な腸内フローラに対して、腟内フローラはNOT多様性なんですよね。

そうなんです。今、産婦人科医や大学に協力してもらいながら研究を進めています。

今春発売予定なのですが、腟内のラクトバチルス菌の割合を検査するキットの開発を進めています。もちろん、腟内すべての菌を網羅して調べることもできるのですが、腟内にとって一番重要なのはラクトバチルス菌。そこを特化して調べることで、これまで3万円程度かかっていた検査価格を、かなり抑えることが可能になります。そうすることによって、より多くの方に腟内環境を知るきっかけを提供できればと考えています。

―プレコンセプション(妊娠前の健康管理)の視点からも、セルフチェックができるキットは大切になりそうですね。

そうですね。価格的な問題や販路が限られていることなどから、悩みが進行な状態の方がメインで腟フローラ検査をしているのが現状です。「子どもがほしい」「腟や子宮周りに違和感がある」など、そう思ったタイミングからのチェックでは、対策に時間がかかってしまうこともあると思います。まずは気軽な気持ちでセルフチェックして、結果を見て次のアクションにつなげていただけると嬉しいです。

商品+教育でデリケートゾーンケアの大切さを伝えたい

raciné -core serum-  racine 腟美容液 coreserum 日本事業開発株式会社

―『racine』は立ち上がったばかりではありますが、今後の展開としてはどんなことを考えていますか?

『racine』は、デリケートゾーンのケアを広めていくというビジョンを持っています。1日でも早く興味を持って、対策、ケアをすることが、健康や美につながると思うので、そのことに気が付ける環境を作っていきたいです。そのひとつが商品ではありますが、やはり商品を販売するだけではなくて、教育もセットで広めていくことが重要だと思っています。

今も、産婦人科医師との共同セミナーやポップアップなどを実施し、お客様と触れ、話すことを大切にしています。また、より多くの人に伝えるため、WEBやSNSといった媒体を活用し、デリケートゾーンケアの話題を発信しております。今後も発信を継続しながら、さまざまなことに取り組んでいきます。

racine
https://racine-official.jp/

以上、『Femtech Japan Award 2022』でシルバーを受賞した、日本事業開発株式会社 『racine』代表の叶くるみさんへのインタビューをお届けしました。

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