東洋医学の考えでは、“冷えは万病のもと”と言われているほど、身体が冷えているとさまざまな不調を引き起こしてしまいます。また、身体が冷えやすい状態が5年、10年と続いてしまうと、PMSや生理痛などの健康課題が常態化し、さらには更年期の症状も出やすくなることが考えられます。そこで、冷えにくい身体作りにつながる、温活習慣を紹介します。
身体の冷え度をチェック!
知らず知らずのうちに身体が冷えていることもあります。まずは、下記の項目をチェックして身体の冷え度を調べてみましょう。
□お腹を触った時にひんやりしている
□体温が36.5℃未満のことが多い
□手足が冷えていることが多い
□季節に関係なく汗をかきやすい
□手足がほてっていることがある
□頭痛が起こりやすい
□目の下のクマが気になる
□鼻の頭が赤くなりやすい
□赤ら顔が気になることがある
□歯茎が黒ずんでいる気がする
3つ以上のチェックが入った場合は、身体を冷えている可能性が高いです。取り入れやすいことから身体を温める温活習慣を始めてみてください。0~2つの場合でも、引き続き身体が冷えないように取り組んでくださいね。
温活習慣1 腹巻をする
腸は最大の免疫器官を言われているため、お腹を冷やすことは免疫を下げることにつながります。体温が1度違うことで免疫力は約30%も変わってくると言われているほどです。また、代謝率は約13%も変わってきます。
さらには、腸内細菌が正常に働くためにも一定の温度が必要になります。そのためにお腹を温めることは大切です。そんな時に活躍するのが腹巻です。
冬の寒い時期は、ショーツと腹巻が一体化した腹巻パンツを活用して、お腹からお尻までを温めるのがおすすめです。たとえ夏でも、冷房や冷たいドリンクでお腹が冷えることはありますので、腹巻があると対策になります。(石原新菜先生・以下同)
温活習慣2 湯船に浸かる
湯船に浸かりましょうと聞くと半身浴をする必要があると思ってしまうかもしれませんが、そうではありません。『夏だと暑いからシャワーだけで』『めんどうくさいからシャワーだけで』となるところを、自分が心地いいと思う温度で、ほんのり汗をかくくらいを目安に湯船に浸かることを心掛けてください。
湯船に浸かることで筋肉がほぐれてリラックス効果が期待できますし、内側から身体が温まったことでいい睡眠にもつながります。さらには、むくみケアにもなるため、さまざまな嬉しい効果をもたらしてくれます。
余裕がある時は、お風呂に入る前に30回を目安にスクワットをすると、効率よく身体を芯から温めることができますし、お風呂上りのほかほかした状態でストレッチや腹式呼吸をするのも有効的です。
温活習慣3 ウォーキングをする
体温の40%は筋肉が作ってくれていますし、体温が高いほうが血流もよくなります。女性に冷え症が多いのは、その筋肉量が少ないから。そこで意識したいのがお尻や太ももなど大きな筋肉がある下半身を動かすことです。
中でも、ウォーキングは運動習慣がない人でも取り入れやすいと思います。運動は続けることが重要になるので、ひと駅分歩く、早歩きする、階段を利用するなど、現在の生活に無理なく取り入れられるスタイルで実践してみてください。
温活習慣4 いつもの食事、飲み物に薬味やスパイスを加える
毎日の食事からも温活を意識することが大切です。そこでおすすめしたいのは、薬味やスパイスをプラスすることです。
例えば、白湯を飲む場合、ショウガやハチミツを加えることでより血流を促すことができます。コーヒーにはシナモンをかけたり、味噌汁にネギを加えたり、鍋をするときは大根おろしを入れてみたりと、いつものメニューにプラスするだけで温活フードになります。
ショウガやニンニク、ネギ、コショウ、唐辛子、山椒、わさび、シナモン、ハチミツなど、薬味やスパイスはいろいろあるので、メニューに合わせてさまざまな組み合わせを試してみてください。
身体の状態、調子を確かめながら取り組む
健康習慣として水をたくさん飲むことがいいと言われていますが、例えば、運動習慣がなく汗をかかない人が1日2リットルも飲んでしまうと、取り入れた分、汗などで出ていかないのでむくみやすくなってしまいます。最近むくみやすいと感じたら、もしかしたら水分を摂りすぎている可能性があります。水分も摂りすぎると、東洋医学では水害といって身体にとってよくない方向に働いてしまいます。
温活をはじめ、健康習慣は自分の生活スタイルにあった形で取り入れることが大切です。日々、身体の状態や調子を確認しながら、取り組んでくださいね。
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