特集

フェムテックイベントは知識を得られる場になっている【FJCトークルーム 特別編 前編】

『フェムテックジャパンカレッジ』が聞き手となり、フェムテック領域で活躍する方々との対話をお届けする、対談企画『FJCトークルーム』。

今回は特別編として、立憲民主党に所属する、泉健太衆議院議員、宮口はるこ参議院議員、酒井なつみ衆議院議員、おくむら政佳参議院議員の4名とともに、女性の健康課題や女性の活躍についてお話ししてきました。

 

さまざまな製品があり、これからに期待

さまざまな製品があり、これからに期待

(左から)おくむら政佳議員、宮口はるこ議員、泉健太議員、酒井なつみ議員

フェムテックジャパンカレッジ(以下FJC):2024年6月に開催された『フェムテックジャパン/フェムケアジャパン2024 in TOKYO』にご来場いただき、ありがとうございました。ぜひ、感想をお願いします。

宮口議員:純粋にすごく楽しませていただきました。初めて見る商品もあり、いろいろなお話を伺っているうちに前のめりになっていて、多くの知識が得られました。

泉議員:フェムテックの市場は年々伸びていて、700億円に迫る規模にまで成長しているということを知っていたのですが、イベントに参加したことで、全国各地の中小ベンチャーの可能性を感じました。

身体に寄り添うさまざまな製品が展開されており、こういうところから新しい市場が生まれてくるのだと実感したと同時に、これからにも期待が高まりました。

酒井議員:私は前職が助産師だったので、もともと関心を持っている分野です。実は、『フェムテックジャパン』にも1回目から参加しています。毎回、多くの方が来場されていて、出展社のみなさんの努力も実っているのを感じています。

また、さまざまな製品に出会え、それがひとつのきっかけとなって、女性の健康課題に対する啓発にもつながっているんだろうということも実感しています。最近は、医療従事者たちの動きも活発化しているので、今後の発展にすごく期待をしています。

おくむら議員:僕は12年前に保育の世界に入り、周りが女性ばかりだったということもあって、自然と女性の体調の話を耳にする機会は多かったです。女性の健康課題に関しては、知っていることもけっこうありますし、もっともっと当たり前のように話ができるようになるといいなと思っています。

『フェムテックジャパン』はまだお伺いしたことがないので、12月に開催される際には会場に行って、実際に体感してみたいです。

フェムテックについて知る、話せる機会が必要

フェムテックについて知る、話せる機会が必要

FJC:では、女性の健康課題に対して、ご自身が感じてる課題、それに対する具体的な取り組みを教えてください。

泉議員:男性の場合、なかなか踏み込めない、分からないということがあると思います。私自身も、『フェムテックジャパン』に伺った際、おっかなびっくりのところがありました。ですが、経済産業省が『女性特有の健康課題による経済損失』を発表するようになって、経済的な側面はもちろんですが、女性ひとりひとりが能力を発揮できない環境にあることに問題意識をより強く持つようになりました。あわせて、女性特有の健康課題に配慮することは、社会全体が伸びることにつながるという考えを持つことの大切さを、改めて強く感じています。

もちろん、政府として取り組んでいくことにも十分意義があります。最近は、メンテックという分野もありますので、男性も女性もお互いに寄り添うことができればもっと優しい社会ができるのではないかと思います。

宮口議員:私自身、出産を経験して、やっぱり産前産後のつらさや、帝王切開での出産だったので、腸の癒着を常に気にしなくてはいけなかったですし、その傷跡は体調が悪くなると今でも痛むことがあります。また、キャリアについても諦めなくてはいけなかったところがあり、そういうつらさも経験しました。子育てや介護、生理も更年期も含めて、もっともっとフォローしていく社会になってほしいと思っています。

具体的に取り組んでいることは、立憲民主党としては『ジェンダー平等推進本部』を立ち上げていますので、女性候補者のデリケートなお話をヒヤリングしていることをはじめ、被災地では生理用品が足りていないのに、スタッフが男性ばかりで誰に確認すればいいのかがわからないという課題や「授乳室が欲しい」という女性の声を聞かせていただくこともあります。災害時に何が必要なのかを考えていくことは、女性議員としてやっていくことのひとつとして捉え、取り組んでいます。

おくむら議員:女性の健康課題にまつわることは、政治の世界もそうですが、一般企業に勤めている方とお話をしても、まだまだ話されていないみたいでショックを受けました。

僕自身は保育の現場にいたこともあり、普通に話されている職場環境で、それを文化として覚えていったところがあるので、みんなが普通に話せて、知っていける社会になるといいですよね。だから、もっともっと話せる文化というか、そういう空気感を作っていく必要があると感じています。

酒井議員:私は、生理が始まるくらいの世代から産婦人科にかかりつけ医を作ってほしいと思っています。例えば、重要な受験の時に生理がかぶりそうだからずらしたいと思った時、どこに行けばいいのかわからない、相談しに行ったとしてもどんな対応をされるかわからないと、実際に傷ついた女性たちがいます。

具体的には、私の選挙区である江東区にヘルスケアクリニックを誘致したいと考えていますし、ユースフレンドリーな産婦人科を見える化することは、議会でも取り組んできました。産婦人科には若い世代も行っていい、優しい診察をしているというところをもっと増やしたいので、今後の取り組みとしても力を入れていきたいです。

党独自の取り組みを実施!

FJC:党内に『ジェンダー平等推進本部』があるということですが、具体的にどのようなことを取り組んでいますか?

泉議員:主に、当事者から伺った話を政策として届けていくこと、党内でのジェンダー平等や女性活躍の取り組みです。

例えば、政治の世界は体育会系なところがあり、選挙の時は朝から夜まで街頭に立つのが当たり前で、そうしないと当選しないという風潮や意識があります。ですが、家事や育児、介護を抱えている場合はそもそも無理ですよね。従来の手法ではなく、新しいアピールの仕方を私たち自身や選挙スタッフを含め、全員が勉強し合いながらサポートしていきましょうと。そして、女性議員にも党の中でのさまざまな役職を担ってもらう取り組みも行っています。

宮口議員:3年前の私の選挙の時は、まさに朝から夜まで街頭演説をするのが当たり前。「生理だから休ませてほしい」とは、言えない空気感でした。他の女性候補者とも、「そういう課題に対してどうすればいい?」と話し合い、みんなで相談しながら乗り越えてきています。

具体的なこととしては、育児や介護をされている候補者には、金銭的な面も含めて党としてバックアップしています。

FJC:ありがとうございます!後編に続きます。

取材日:2024年9月上旬

No.00146

フェムテックジャパンカレッジ編集部

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