女性の体と悩み

PMSや更年期の症状には客観性が大事!“記録する”ことが対策になる理由

イライラしやすい、むくみやすいなどの生理前に出てくるPMS(月経前症候群)や、のぼせ、ほてり、不眠といった更年期の症状を、なんとなく感じてはいるもののどのように対策すればいいのかがわからないということがあると思います。

「客観性を持つことで対策を講じやすくなります。そのためには、症状を記録することが役立ちます」と教えてくれたのは、産婦人科医であり、産業医を務める山村菜実先生。

生理周期の記録は習慣化する

“記録する”ことが対策になる

「なにかしらの不調を感じていても、それが女性ホルモンの影響によるものなのか、風邪などの体調不良なのか、メンタルヘルスに関係していることなのかを、自分自身で判断することは難しいと思います。そういう時は、生理周期がバロメーターになります。生理周期と聞くと生理のこと、女性ホルモンの影響を受ける事柄だけだと思いがちですが、総合的な健康管理にも役立てることができます。

まずは、生理がいつから始まっていつ終わったか期間を記録することで、周期を知ることができます。生理がある、ないはわかっていても、期間を覚えておくことは難しいと思いますので、生理管理アプリなどを活用して記録するようにしてください。

さらに、生理痛の有無、その日の体調や気分、基礎体温や体重を測っている場合はそれらも記録することで、女性ホルモンの影響によって症状が現れているのかを判断しやすくなります」

更年期の健康管理にも役立てられる

「生理周期の記録は、閉経後の健康管理にも活用することができます。閉経を迎える前は生理周期にばらつきが起こり、生理の状態もこれまでと変わってきます。その期間に不調を感じた場合は、PMSではなく、更年期症状の可能性もあります。PMSだと思っていたら更年期の症状だったということはありますし、もしかしたら女性ホルモンの影響ではなく、別の理由によってメンタルに不調が現れていることも否定できません。記録はその判断材料になります。

そして、閉経を迎えても心身の健康を維持していくことに変わりはありません。そのため、その日の体調や気分などを記録し続けることは、閉経後の健康管理にも有効です」

記録することで傾向がわかる

記録することで傾向がわかる

このように記録することは、メンタルヘルスの治療でも用いられているそうです。それは、記録することで客観的に見ることができ、自分にとって心地がいいバランスへと整えていくことに役立てられるから。

「記録することは行動認知療法と言われ、感情や行動に影響を及ぼしている捉え方(認知)とその行動に働きかけて、思考のバランスを整え、ストレスを減らしていくための精神療法です。記録することで客観性を持つことができ、自分の認知の癖を知ることにつながります。この癖を知ることが重要です!

癖を知ることは、PMSや更年期症状の対策にも同じことが言えます。症状が出るタイミングや出方、程度などを記録することで、傾向がわかってきます。PMSや更年期症状は個人差がありますので、自分自身の傾向を知ることで対策を取れるようになります」

健康記録は医師との対話にも役立つ

健康記録は医師との対話にも役立つ

生理周期をはじめとした日々の健康記録は、自分自身のいつもの状態を知ることになります。それは、「いつもと何かが違う……」と違和感にも気がつきやすくなり、いざという時は医療機関へ相談に行くことの大切さを実感することにもつながっていきます。そして、その健康記録は医師との対話の際にも役立てられるそうです。

「病院に行くのはなにかしらの不調を感じているからですが、中には、『なんか不調なので来ました』という場合があります。また、『こういう症状はありますか?』と質問をしても、『わかりません』と答える患者さんもいらっしゃいます。自分の状態がわかっていない、覚えていないと不調の原因を見つけるのに時間がかかってしまいますので、そんな時に健康記録があると診断の手助けになります」

日々の状態を記録しておくことは、慣れるまではめんどうに感じるかもしれません。最近は、いろんなパターンの生理管理アプリやヘルスケアアプリがあります。取り入れやすいツールを活用しながら、記録する習慣を身につけていきましょう。

執筆/木川誠子

No.00117

産婦人科専門医・産業医 山村菜実先生

産婦人科専門医、アンチエイジング専門医、美容産婦人科医、美容皮膚科医として、東京美容クリニックに勤務。婦人科と美容を融合させた考え方で、“フェムキュア施術”を行っている。