ウェルネス・疾患ケア

女性ホルモンのゆらぎ対策の視点で取り入れたい3つの食習慣

女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンは、生理周期にあわせて分泌バランスが変化しています。そのため、どうしても影響を受けてしまうものです。

今回は、健康の基盤となる規則正しい生活習慣の中でも、栄養バランスの整った食事にスポットを当て、女性ホルモン専門薬剤師の岡下真弓さんに、今から始められる3つの食習慣について伝授していただきます。

日本人は胃腸が繊細であることを知る

日本人は胃腸が繊細であることを知る

「食の欧米化が進んだことで動物性の食品を摂取する頻度が増えていますが、日本は米を主食としてきた食文化があります。食文化の違いは胃腸の機能にも影響していると考えられていますので、欧米人と日本人では異なります。

具体的には、欧米人は動物性食品を消化し、吸収するために比較的、胃酸分泌が旺盛で丈夫とされています。一方、日本人は消化にいい食品が主食の食文化のため、胃は繊細であると言われています。お肉を食べると胃がもたれていると感じるのはそのためです。中には、刺激があるカフェインやアルコールが体質的に合わないという人もいると思います。

日本人はそもそも胃腸が繊細であることを知っておくことも、健康維持には必要です」(岡下真弓さん・以下同)

食習慣1.朝食で生活を整える

食習慣1.朝食で生活を整える

「朝食を食べる習慣がない人もいると思いますが、朝に起床して、朝食を食べることは生活を整え、活動に必要なエネルギーを補給することにつながります。また、昼食や夕食は外食する頻度が高いことも考えられますので、1日の食事の中でコントロールしやすいという意味でも、朝食で何を食べるかは大切になります。

1日のエネルギーを補給するという意味ではタンパク質を、脳を活性化させるという意味では適度な糖質が必要。おすすめの食品は、鶏の胸肉やささみ、季節のフルーツ、オートミールなどです。特にオートミールにはタンパク質をはじめ、ビタミン類、ミネラル、食物繊維も含まれているので、ひとつの食品で必要な栄養素を有効的に補えます」

食習慣2.調整する場合は7日間で行う

「東洋医学では、成長や発育、生殖にかかわるエネルギーであるとされる腎気(じんき)があり、女性の身体の変化を7年周期で判断する考え方があります。また、女性ホルモンの分泌バランスも約1週間ごとに変化していることを考えると、7という数字はキーポイントに。

1週間も7日間なので、食生活のリズムも7日間で調整していくのが実践しやすいと思います。例えば、週末に外食予定があるなら、平日のうちに調整しておくなど、7日間なら無理なく調整しやすくなるのではないでしょうか」

食習慣3.エストロゲンと関係するアブラナ科の野菜+αを意識

食習慣3.エストロゲンと関係するアブラナ科の野菜+αを意識

「ブロッコリー、キャベツ、ケールといったアブラナ科の野菜は、エストロゲンの代謝を調整すると言われています。また、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンK、マンガン、カルシウムなど、ビタミンやミネラルも含まれているため、日々の食生活で積極的に取り入れたい食品です。

さらに、ビタミンB1、B2、B6などのビタミンB群はエネルギー代謝の補酵素としての役割があります。豚肉やレバーといった肉類や魚などのメイン食材に多く含まれていますので、アブラナ科の野菜とあわせて食べるのもおすすめですし、ミネラルの中でもマグネシウムには、300種類以上の体内酵素を活性化する働きがあります。体内や血圧の調整などにも役立っているため、穀類や豆類も意識して取り入れましょう」

執筆/木川誠子

No.00141

岡下真弓さん

岡下真弓さん女性ホルモン専門薬剤師

記事一覧

大学薬学部卒業後、大手化粧品会社の研究開発に取り組む。その後、薬剤師として1998年より調剤薬局に勤務。国立病院、労災病院など大型広域行政法人病院前薬局を経て、未病の大切さを伝えていくべきだと気づき、『美養憧(Bi-You-do)』を立ち上げる。現在は、多くのカウンセリング経験を活かし、ホルモンバランスの乱れや、更年期症状に悩む女性に寄り添いながら、中医学とアロマセラピーの考えに基き、自然な歳の重ね方を提案している。