デリケートゾーンケア

下着選びもフェムケア!感染症にならないためのショーツ選び

日常的に身につけている下着、特に合成繊維のショーツが、細菌性腟症などの感染症の原因になる場合があることをご存知ですか?世界では、衛生上の理由から合成繊維のレースの下着を禁止している国もあるくらいです。

そこで、婦人科と美容を融合させた考え方でフェムキュア施術を提案している産婦人科医の山村菜実先生に、なぜ下着が感染症の原因になるのか、デリケートゾーンを健やかに保つための下着選びのコツなどを伺いました。

下着は大きく3つに分類される

下着は大きく3つに分類される

下着とは、アンダーウェア、インナーウェアと呼ばれることもあり、もっとも肌に近い内側に身につける衣類の総称です。そして、大きく3種類に分けられます。

1.アンダーウェア

肌着とも呼ばれ、身体の保温、快適さ、さらには衛生を維持する役割があります。また、身体の汚れから洋服を守るという側面も。

2.ランジェリー

アンダーウェアよりもデザイン性が高く、美しさやセクシーさを演出するための下着として分類されます。

3.ファウンデーション

補正(補整)下着とも呼ばれる種類で、体型を整える役割があります。ブラジャーやガードルは、ファウンデーションに分類されます。
この記事内でいう下着とは、上記の分類に関わらず、いわゆるショーツを指します。

下着はデリケートゾーンを守る役割がある

「下着はデリケートゾーンを外的刺激から守ってくれています。その一方で、常に肌に触れているため、デリケートゾーンの状態を左右するとも言えます。ゆえに、下着はデリケートゾーンの刺激にならないように取り入れるのがベターです。

ですが、例えば、ボトムに響かないようにTバック(ソング・トンガ)を選んだり、テンションがあがるレースや装飾のあるランジェリータイプを取り入れたりすることがあると思います。この場合は注意が必要です」(山村先生・以下同)

レースの下着は細菌が繁殖しやすい環境を作る

「デリケートゾーンには常在菌が存在しており、いい菌と悪い菌がバランスを取りながら健康な状態を作っています。ですが、合成繊維のレースなど、通気性の乏しい下着を取り入れた場合、デリケートゾーンに熱と湿気を閉じ込めてしまうことになります。そうなると、細菌が繁殖しやすい温かく湿った環境になり、カンジダ菌などの悪い菌が増える可能性が高まることで、カンジダ症(真菌感染症)や細菌性腟症などの感染症につながります。

また、Tバックなどのあらかじめサイズがミニマルに作られている下着や締め付けが強いガードルなどは、骨盤まわりの血行不良につながり、身体が冷えやすくなります。さらには、擦れの原因にもなりますので、色素沈着を起こす可能性も高まります」

 

下着選びで意識したい3つのこと

下着選びで意識したい3つのこと

1. 天然素材を意識する

「日常的に身につける下着に関しては、吸水吸湿性や適度に伸縮性がある素材が好ましいです。具体的には、コットンやリネン、シルクなどの天然素材を選びましょう。

もし、レース素材や装飾のあるランジェリータイプを選びたい時は、例えば、デートの時だけ……と、限定的に取り入れることをおすすめします」

2.ヒップサイズに合わせて選ぶ

「下着は小さいと締め付けや擦れ、大きすぎても擦れの原因を作りますので、ヒップに合わせて適切なサイズを選ぶのがベターです。ポイントは締め付けられている、擦れている感覚がないことです。

また、サイズやショーツの形によっては、下着が食い込んでいるような、臀部の上に履き口がきてしまう場合があると思います。ヒップの形を損ねることにつながりますので、臀部をすっぽりと包み込んでくれる、フルバック・スタンダードなどのタイプがよりよいと言えます」

3.着心地のよさや清潔感も大事

「素材やサイズ感も着心地のよさにつながりますので、可能な場合は試着をして、着心地がいいか、サイズが合っているのかを確かめてください。同じMサイズでもメーカーによって異なる場合がありますので、メーカーごとに確認することも大切です。

そして、どんなに通気性に優れた素材でも、夏の時期や運動後など汗をかくと細菌が増えやすい状況を作ってしまいます。そういった時は、シャワーで汗を流したり、着替えられる場合は下着を取り替えたりしながら、清潔さを保ちましょう。また、清潔感を保つため、乾燥させないために、デリケートゾーンのケアも有効です」

 

執筆/木川誠子

No.00138

山村菜実先生

山村菜実先生産婦人科専門医・産業医/東京美容クリニック理事長

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東京女子医科大学医学部医学科卒業。日本産科婦人科学会専門医・日本抗加齢医学会専門医・日本医師会認定産業医・日本美容皮膚科学会正会員・医療法人財団小畑会理事長。2019年に東京美容クリニックを開設し、2022年から東京美容クリニック表参道本院理事長を務める。婦人科と美容を融合させた”フェムキュア施術“を行い、女性の悩み全てに寄り添う丁寧なカウンセリングにファンが多い。2024年11月上旬に書籍『子宮を愛してあげよう』(現代書林)を上梓予定。
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