今、妊娠を考えている人も、「将来的には……」と思っている人にも、妊娠を考えながら自分とパートナーの生活や健康、さらにはライフプランと向き合うことが大切です。妊娠前の健康管理と呼ばれる『プレコンセプションケア』をはじめ、自分たちの身体のことを知り、健康作りを意識した生活について考えていきましょう。
妊娠前の健康管理を意識する
WHO(世界健康機関)が、“妊娠前の女性とカップルに医学的・行動学的・社会的な保険介入を行うこと”と定義づけています。それは、『プレコンセプション(受精・懐妊前の)ケア』と呼ばれ、妊娠前の健康管理の重要性が高まっています。性別に関わらず、妊娠前の健康観による質の高い生活を送り、将来的に妊娠・出産の可能性を高めることにつながる考え方です。
例えば、妊娠を考えたら、まずは生理周期をチェックすること、基礎体温を測ることなどが挙げられますが、生理があるから妊娠が可能であるというわけではありません。妊娠しやすい年齢について知ることも大切ですし、まずは必要な知識を得ることもプレコンセプションケアのひとつだと考えています。(大島乃里子先生・以下同)
自分やパートナーの幸せについて考える
日本のみならず世界を見ても、妊娠・出産の年齢が上がってきています。それは赤ちゃんとお母さんのリスクが高くなることであり、医学的に介入する必要がある状況が増えていることにもつながります。
プレコンセプションケアは、妊娠・出産に限ったことではなく、誕生する子どもを含め、家族全員が健康で安心して生きていけるような社会を作っていくためには、何ができるのだろうと考えることでもあると思います。
先ほどもお話ししたように、生理周期を知ることや基礎体温を測ること、検査を受けることなどは必要ではありますが、具体的な行動が起こせるようにするためにも、知識を得ること、今の生活を整えること、ライフプランを考えることが大切だと考えています。
健康管理として今から始めたい3つのこと
1.妊娠時期などを考える前に必要な知識を得る
例えば、35歳以上は妊娠率が下がるというデータもありますが、妊娠率で見てみると25歳を過ぎると徐々に下降していきます。それは、妊活や不妊治療を始めるタイミングは20代からでも早くないということになります。妊娠に関しては、どうしても年齢因子が大きくかかわってきますので、そのことを知っていると知らないとでは、選択できることが異なってきます。
自分自身とパートナーの年齢を踏まえたうえで身体に関すること、健康状態など、まずは知ること、必要な知識を得ることから始めてみてください」
2.今の生活を知り、整えていく
妊娠への取り組みには、健康状態が重要になります。不規則な生活になっていないか、ストレスに感じていることはないかなど、現状の生活習慣を確認してみましょう。
今は問題なくても、妊娠を希望するその時に問題がないというわけではありません。現状で気になるところは整えていきながら、婦人科検診をはじめ、健康診断をきちんと行いましょう。必要に応じて、専門家に相談してみるのもおすすめです。
3.ライフプランを考えてみる
いつ妊娠をするべきか……を具体的に考える前に、自分の人生をどのように生きていきたいかを考えてみてほしいです。
例えば、妊娠と結婚がセットで考えられがちですが、パートナーとの関係性も多様化しています。また、自分自身のキャリアも関係してきます。10年先、20年先を見据えた人生のプランを考えることで、今からしておいてほうがいいことが見えてくることもあります。
今の生活、健康が将来につながっている
将来的に妊娠を望む、望まないにかかわらず、今の生活、健康がこの先につながっていきます。そして、身体のこと、妊娠・出産についてなど、知らないこともあるかと思います。知ることは選択肢を広げることにつながりますので、知識を得ていくことも大切にしてください。
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