生理用品をどのように選んでいますか?実は、生理用品は、”母親が使っていたものを娘が使う”“一度使った安心感から同じものを使い続ける”傾向が強く、意外と自分の意思で選んでいないアイテムと言われています。
しかし時代の流れとともに、吸水ショーツや月経カップ、月経ディスクなど、第三の生理用品と言われるアイテムも登場し、生理用品の選択肢は広がっています。
こんなにたくさんアイテムがあるのだから、なんとなく使っているだけではもったいない。何かと憂鬱になりがちな生理期間だからこそ、自分の身体と心が心地いいと感じる、目的やシーンに合わせて選んでみるなど、より快適に過ごすためにアップデートしてみませんか?
進化を続ける「紙ナプキン」
紙ナプキンは、生理用品の中でもっとも一般的で馴染みのあるアイテムです。吸収力が優れているタイプ、肌に当たる面の素材にこだわり擦れを抑えたもの、ナチュラル素材を使用して肌や環境への負担を軽減するものなど、日々進化を続けています。
紙ナプキンは、取り入れやすさをはじめ、コンビニやスーパーマーケット、ドラッグストアなど、生活圏内で購入しやすいのも魅力です。その一方で「使用後のゴミが気になる」という人もいるのではないでしょうか。実は、ひとりの女性が生涯で消費する生理用品の数は約9600個(1ヶ月で平均20個の使用)と言われています。ゴミの量が気になる場合は、他の生理用品と併用しながら、紙ナプキンの使用量を調整するのがおすすめです。
肌と地球に優しい「布ナプキン」
ゴミを極力減らしたいと考えている人には、布ナプキンという選択肢があります。
布ナプキンは、コットン素材などの布で作られたナプキンです。同じナプキンタイプの生理用品でも、使い捨ての紙ナプキンとは異なり、洗って繰り返し使えるためゴミを出さずに生理期間を過ごすことができます。また、布製なので肌あたりが良く、ムレやかぶれの軽減にもつながります。
洗って繰り返し使うアイテムなので、外出先で交換する際には使用したパッドを持ち帰る必要があります。「そこが気になる……」という場合は、例えば、そろそろ生理になりそうという時や経血の量が少なくなった最終日などを布ナプキンで過ごすことで、ストレスを感じず取り入れることができます。
約2年洗って繰り返して使える「吸水ショーツ」
フェムテックの広がりとともに話題となっているのが、吸水ショーツと呼ばれる吸水機能のあるショーツです。
デリケートゾーンに当たる部分が、接触面・吸水面・防水面・ショーツ生地のように層になっており、ナプキンの2~3枚分の経血を吸収してくれるという仕組み。メーカーによって、抗菌、防臭、漏れ防止の機能面や吸水量などの特徴が異なるので、事前のリサーチをおすすめします。
そして、1枚あたり2000〜5000円で展開されており、替えのショーツを揃えるとなると初期費用はかかります。ただし、洗って繰り返し使うエコロジカルなアイテムのため、1枚約2年は継続して使えると言われていることを考えるとかえって経済的なのかも。
医療シリコン製の「月経カップ」
アメリカやヨーロッパではメジャーな月経カップ。日本でも、フェムテックのムーブメントの中で注目を集めています。
月経カップは、医療シリコン製の釣鐘型をした生理用品で、腟内に挿入して経血を溜めていきます。経血が溜まったら、カップごと取り出して中身だけトイレに流します。経血を捨てるタイミングは4〜8時間。ナプキンに比べるとその頻度は低く、装着に慣れると快適という人は多いようです。
月経カップは経血が空気に触れることが少ないため、気になるニオイが発生しない、自分の経血量がわかる、使うたびに煮沸消毒をすることで繰り返し使えるなど、さまざまなメリットがあります。
月経カップの進化版「月経ディスク」
月経ディスクは、月経カップが進化して2016年にアメリカで誕生しました。つけていることを忘れてしまうほどの快適さがあると言われている、浅いお椀型の生理用品です。
腟の入り口付近に装着する月経カップに対して、月経ディスクはさらに奥、子宮頸部の下に装着して使います。装着時間は最大8時間と長く、交換するストレスからは解放されます。
月経ディスクには、使い捨てと繰り返し使えるタイプがあり、その日のスケジュールに合わせて使い分けることができるうえ、コンパクトで持ち運びにも便利。経血がドロッと出てくる感覚もなく、装着に慣れるといつも通りに近い感覚で、アクティブに過ごすことができます。
生理用品を選ぶのは自分自身
どの生理用品にも、メリットとデメリットがあります。そのことを知ったうえで、自分は何が一番大切なのかを考えて選ぶことで、生理期間をより快適に過ごすことにつながります。
筆者はオーガニックコットンの紙ナプキンをメインに、かぶれが気になる時は布ナプキンに切り替えています。そして今は、月経カップに挑戦中。装着の練習がまだまだ必要だと実感していますが、月経カップを使いこなせるようになった先にある、まだ見ぬ新たなライフスタイルを想像してワクワクしています。
生理用品の選択肢が広がっている今こそ、いろいろ試してみることで自分によりフィットしたアイテムに出会えるかもしれません。自分にとって一番心地いいのはどのアイテムなのか、それがわかるのは自分だけです。正しい知識を取り入れながら自分にとってのベストを選び、より快適な生理期間を過ごしてくださいね。
執筆/岩田香菜子
No.00047