妊活・不妊・妊よう性

妊娠のためにも必要なこと!デトックスを意識した健康な身体作り

健康リテラシーの高い生活を送り、将来的に妊娠・出産の可能性を高めることにつなげていく考え方であるプレコンセプションケア。妊娠の妨げになる可能性を探ることなどが挙げられますが、健康的な身体作りという視点も重要です。

近年では、デトックスやメンタルケアの重要性も語られるようになりました。その必要性について、産婦人科専門医の山村菜実先生にお伺いします。

健康のためには適度なデトックスが必要

健康のためには適度なデトックスが必要

「将来の妊娠・出産を考えるという点においてはもちろんですが、そうではない場合でも健康な身体作りは重要です。適度なデトックスも、健康維持には役立ちます。ただし、有害物質や老廃物を体内に溜めないようにと、過度なデトックスや無理な食事制限は逆効果。身体の負担にならない範囲で、また、ストレスにならないように行うことが大切です。

日々の健康習慣としての取り組みが体内環境を整えることになり、将来の妊娠に向けた準備のサポートにもつながっていきます」(山村菜実先生・以下同)

 

デトックスを意識した食習慣

デトックスを意識した食習慣

やはり、栄養バランスを意識した食事、適度な運動、質を担保した睡眠といった、規則正しい生活習慣がベースになります。そのうえで、デトックスを意識した健康習慣を山村先生に教えていただきました。

●デトックスにいい食材

「食事は健康の基本です。野菜や果物に含まれるビタミンやミネラル、食物繊維は、身体の調整に必要な栄養素。特に葉物野菜やベリー類には抗酸化作用があるため、体内の活性酸素を減らし、デトックスにいいとされています。

あわせて、水分補給も意識してください。老廃物を効率よく排出するためには水分も重要です」

●腸内環境を整える食材

「排便はデトックス行為です。便秘や下痢になりやすいという場合は、腸内環境を整えてくれると言われる、納豆やヨーグルトなどの発酵食品、食物繊維が豊富な野菜やオートミールなどを意識的に摂取しましょう」

●デトックス効果が期待できるハーブティー

「ハイビスカスやローズヒップなど、ハーブティーの中には利尿作用のあるタイプもあり、体内の余分な水分や老廃物を排出するサポートになります。むくみ対策という意味でも心強いです」

●カフェインやアルコールは適度に

「カフェインやアルコールの過剰摂取は、肝臓に負担をかけてしまいます。妊娠前は特に意識して摂取量を控えて、肝機能を保護することも大切です」

運動と睡眠はデトックス力を高める

「運動をして発汗をすることもデトックスのひとつ。筋トレのようなハードな運動よりは、ウォーキングやピラティス、ストレッチなどで代謝を上げて、じんわりと汗をかくことで体内の老廃物が排出されやすくなります。習慣化している人が増えている、サウナでの発汗も有効的です。

そして、睡眠も大切。睡眠中は、体内で老廃物が処理されていると言われています。質の良い睡眠をとることでホルモンバランスが整い、自然なデトックスが促されます」

生理周期も健康のバロメーターにしよう

生理周期も健康のバロメーターにしよう

「生理周期を把握することも、心身の健康作りに役立てることができます。例えば、過度なストレスや不規則な生活になると生理周期が乱れることがあります。生活習慣の乱れを自覚しやすく、素早く見直すことにもつながります。そして、なかにはホルモンバランスの変化や婦人科系の病気の可能性もありますので、専門機関への受診もスムーズになるという意味でも有用です。

また、妊娠・出産を希望する場合は、妊娠しやすい時期を把握するという意味でも、生理周期を記録することで排卵日の予測がしやすくなります。

生理周期を知ることで、生理前は疲れやすいからその時期は予定を入れすぎないようにしよう、リラックスできる時間を作ろうなど、自分の体調にあわせたスケジュール調整ができるようになるので、健康管理がしやすくなります。

最低限、生理周期は記録してほしいですが、記録することがストレスにならない場合は、生理痛の有無や生理前の心身の変化なども記録することで、より健康作りがしやすくなると思います」

 

執筆/木川誠子

No.00147

山村菜実先生

山村菜実先生産婦人科専門医・産業医/東京美容クリニック理事長

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東京女子医科大学医学部医学科卒業。日本産科婦人科学会専門医・日本抗加齢医学会専門医・日本医師会認定産業医・日本美容皮膚科学会正会員・医療法人財団小畑会理事長。2019年に東京美容クリニックを開設し、2022年から東京美容クリニック表参道本院理事長を務める。婦人科と美容を融合させた”フェムキュア施術“を行い、女性の悩み全てに寄り添う丁寧なカウンセリングにファンが多い。2024年11月上旬に書籍『子宮を愛してあげよう』(現代書林)を上梓予定。
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