「そういえば生理がきていない!」と、生理周期を把握していても予定通りにこない場合もあると思います。そんな時は、「妊娠したのかな」「もしかしたら何かの病気かも」と不安になりますよね。
「生理がこない時に真っ先に考えるのは妊娠の可能性です」と教えてくれたのは、産婦人科医であり、『クレアージュ東京 レディースドッククリニック』婦人科顧問でもある大島乃里子先生。
生理がこない時はまずは妊娠を考える
生理がこない時にまず考えるのは妊娠の可能性です。妊娠と聞くと、一般的には正常な妊娠をイメージするかと思いますが、産婦人科医は異常妊娠の可能性も考えます。特に、異所性妊娠という子宮外妊娠をしていた場合、最悪な事態が起こる可能性があるためです。
本来は、受精卵ができて子宮の中で着床することで妊娠が成立します。ただし、子宮以外の場所で妊娠が起きてしまったら、例えば卵管で起きた場合は、細い卵管ではきちんと育成できず、破裂して大出血が起こり、気がつかないままだと最悪の事態が起きてしまいます。
そういうことも踏まえて、生理がこない時はまずは妊娠の可能性を考えましょう。
予定日より1週間遅れたらチェックする
自分の生理周期を記録しているうえで、毎回規則正しくくるのか、前後2~3日はずれることがあるのかによっても変わってきます。例えば、ずれることなく28日周期で生理がくるならば、予定よりも1週間遅れたら市販の妊娠検査薬で調べることをおすすめします。妊娠している場合は、そのタイミングで反応が現れます。
妊娠検査薬に陽性反応があった時は産科を受診してください。尿検査で妊娠反応があっても、どこで妊娠をしているかがわかりませんし、初期流産の可能性もありますので、必ず産科に行きましょう。
生理周期が不安定な場合は要注意
妊娠検査薬が陰性反応だった場合、考えられる可能性はふたつあります。ひとつめは、実は妊娠しているけど、排卵が遅れたために反応が出ていないケース。この場合は、数日後に改めて検査を行い、陽性反応の有無を調べましょう。
ふたつめは、排卵がスムーズに行われず、生理周期が延びてしまっている場合です。妊娠していなくて生理が遅れているなら、2週間は許容範囲なので心配ありません。ただし、もともと生理周期が不安定で2、3ヶ月に1回のペースでしか生理がこないような状態が続いている場合は婦人科を受診してください。
排卵障害は子宮体癌のリスクを高める
生理周期は25~38日とされています。もし、25日周期よりも早くきてしまう場合は、貧血になりやすくなります。そして、38日よりも長くて、例えば40日周期だとした場合、「楽でいいな~」と思うかもしれませんが、排卵障害が起きている可能性があります。40~60日周期ならば、一度、婦人科で相談してみましょう。
たとえ排卵障害だったとしても、「今は妊娠したくないから大丈夫」と思わないでください。生理は厚くなった子宮内膜がはがれることで起こりますが、排卵障害が続くと子宮内膜が厚いままになってしまいます。そうすると将来的に子宮体癌になる可能性が高まります。
今すぐ妊娠を希望する、しないにかかわらず、健康な状態を保つことを心掛けましょう。
生理周期を記録しておく
生理周期よりも早くきすぎるのも、間隔が広すぎるのも不安材料になります。生理管理アプリなどを活用して、生理が始まった日、終わった日を記録して、自分の生理周期を知っておきましょう。
生理周期を知っておくと、もし生理がこなかった時にしかるべき行動を取りやすくなります。病気のリスクを下げることにもつながりますので、生理周期の記録を習慣にしてくださいね。
執筆/木川誠子
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