キャリアと女性の健康

基礎体温を測ったほうがいい理由とは?基礎体温の基礎知識

基礎体温と聞くと、妊娠を希望している女性が測るものというイメージがある人も多いのではないでしょうか。しかし、近年では基礎体温を測ることで、自分の身体を知り、毎日の健康管理ができるということが知られるようになってきました。

そこで今回は、女性の健康課題の啓発活動に取り組んでいるオムロン ヘルスケア株式会社グローバル商品事業部統括部の堤悠里子さん、広報部の和田理恵子さんに基礎体温の基礎知識から、測り続けるなかで分かることについて教えてもらいました。

基礎体温は自分の身体と向き合うこと
基礎体温の記録_02

「女性ホルモンのひとつ、エストロゲンの分泌量が優位になる月経期から排卵期までは、体温は下がり、低温期になります。排卵が行われると、もうひとつの女性ホルモンであるプロゲステロンが分泌され始めることで体温は上がっていき、高温期となります。

ホルモンの変動を表しているのが基礎体温であり、高温期と低温期が定期的にきているか、その体温差が低温期より0.3度以上あるかで排卵の有無を確認することができます。

基礎体温は、妊娠を希望している女性が排卵のタイミングを知るために測るものと思われることが多いですが、実は基礎体温を測ることで、自分の生理周期がわかりやすくなる、時期によって変化する体調や心身の状態に気付くことができます。

女性が健康的に生活するという意味で、どの年代の女性にも基礎体温を測ってほしいと思っています」(堤さん)

基礎体温の測り方
基礎体温の測り方

① 朝、目が覚めたら身体を動かさず、寝たままの状態で検温します。あらかじめ枕元に基礎体温計を置いておきましょう。体温計の先端部分を舌の付け根にあてます。
②体温計を舌で押さえて、口を閉じたまま測ります。

「毎朝できるだけ同じ時間に測ることが理想です。起床時間がまちまちな場合も、起床後すぐに測ることを意識してください。

そして基礎体温は測るだけでなく、グラフ化することで生理周期がわかりやすくなります。さらに、体調なども一緒に記録することでより自分の身体の変化を知ることができます」(和田さん)

「起床時は無意識に体勢を変えてしまいがちですが、それは極力我慢してください。体温は日内変動が大きく、その中でも基礎体温は0. 01という単位で測る必要があり、変動幅がとても小さい。身体を動かしてしまうとその影響のほうが大きくなり、正確な体温が測れない可能性ができてきますので、枕元に基礎体温計を置くなどして、できるだけ動かず測れるように工夫してください」(堤さん)

基礎体温は健康管理に役立つ

「生理周期に合わせて起こりやすいのが、気分が落ち込む、眠気が増す、体がむくむ、判断力が低下する、集中力が続かないといった症状だと思います。PMS(月経前症候群)という言葉もよく聞かれるようになってきましたが、月経開始前の時期に心身のさまざまな症状がでやすい人もいます。自分の生理周期がわかると、「この時期はネガティブ思考になりやすいから、こういう行動はやめておこう」といったセルフケアや自分の行動変容につながります。

また、月経がこないことや、生理周期が安定しないことで悩んでいる場合は、基礎体温を測ることで原因が見えやすくなります。さらに、更年期にはホルモンバランスが乱れてしまうため、その際の健康管理にも役立ちます」(堤さん)

体型のコントロールもしやすくなる
体型の管理

若い世代だと体型を気にする人も多いですが、基礎体温を測ることで体型の管理もしやすくなるそう。

「女性には痩せやすい時期と、痩せにくい時期があります。

プロゲステロンの分泌量が増える生理前は、体内に水分を溜め込みやすい時期。この時期は食事制限や運動を行ってもあまり体重が減らないこともあります。個人差がありますので、自分自身の痩せやすい時期、痩せにくい時期がわかってくると、「この時期は痩せにくいから生理が終わったら頑張ろう」といった体型のコントロールもしやすくなります」(堤さん)

体調の変化を実感することが大切
婦人用電子体温計

>>>製品スペックはこちらから

「弊社が販売している婦人用電子体温計の中には、忙しい朝でも素早く測定できるよう、最短10秒で測定ができます。また、アプリと連携したアラーム機能を搭載し、測り忘れを防止し、なるべくみなさんに使いやすい商品にしています」(和田さん)

「基礎体温の測定を習慣化するには少し時間がかかります。そのためには、健康管理の意識を高める、体温の変動に伴う体調の変化を可視化すると、続けやすくなります。

そして、変化が起きた時も気がつきやすいです。その場合は、すぐに専門機関に相談してください。医師による診察の際も、基礎体温が判断材料になりますので、そういった側面からも基礎体温は大切です」(堤さん)

執筆/平野絵梨香

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オムロン ヘルスケア 株式会社

“地球上の一人ひとりの健康ですこやかな生活への貢献”をミッションとし、血圧計や体温計、体重体組成計などの健康医療機器とサービスを、グローバルに提供している。