3月8日は国際女性デー!どのように国際女性デーが制定されたのか?女性の権利と繋ぐバトンについて考える

3月8日の国際女性デーです。年々盛り上がりを見せており、日本でもイベントやセミナーが開催されたり、限定アイテムが登場したりしています。では、そもそも国際女性デーとは何か?その成り立ちや背景を振り返ってみましょう。

国際女性デーはアメリカで起きたストライキがきっかけ

Vector illustration of cute dancing women

3月8日は国際女性デー。1975年に国連が制定した記念日で、“国や民族、言語など問わず、女性たちが達成してきた功績を祝福し、ジェンダー平等を考える日”です。

国際女性デーは、1904年と1908年にアメリカ・ニューヨークで勃発した、女性労働者たちによる参政権や労働条件の改善を求めた大規模なストライキが起源。これをきっかけとなり、翌年の1909年に『全米女性の日(National Women’s Day)』が制定されました。

その翌年の1910年には、デンマークで開催された国際社会主義大会で、女性の権利運動を称える『国際女性デー』を設定し、ヨーロッパ各地で記念行事が開催されるように。そして、国連は1975年に『国際婦人年』を制定し、3月8日を『国際女性の日』とすることを発表しました。

国際女性デーに世界ではどんな動きが起きている?

最近では、SNSでも話題となっている国際女性デー。ハリウッドセレブやブランド企業がこの記念日を祝福し、日本でもその動きが活性化しています。これまでの国際女性デーでは、どのような動きが起きているのか。代表的なものをピックアップします。

2010年には、『男女平等と女性のエンパワーメントのための国連機関(UN Women)』が設立されました。具体的には、下記の5項目の取り組みが掲げられています。

1. 女性のリーダーシップと政治参画
2. 女性の経済エンパワーメント
3. 女性に対する暴力撤廃
4. 平和と安全保障のあらゆる局面における女性の関与
5. 国家の開発計画と予算におけるジェンダー平等の反映

2014年には国連が初めて発足したキャンペーン『He For She』があります。『He For She』とは、“男女平等と女性の地位向上を実現するために、男性からの支援を促すこと”を活動の軸とし、男性一人ひとりが、“女性や少女への差別や暴力に反対し、行動すると誓う”というもの。

発足した年の国連女性機関(UN Woman)親善大使には、『ハリー・ポッターシリーズ』でおなじみのエマ・ワトソンが選任されました。その時のスピーチが印象に残っている人も多いのではないでしょうか。

ここで演説されたことは、女性の権利を主張する『フェミニズム』という言葉が男性嫌悪と捉えられがちな現象に対しての懸念と、意識改革の必要性についての訴えでした。そして、女性の権利と男女平等の社会を実現するには、男女が分断するのではなくお互いに歩み寄り、男性の理解を得ることが重要だと。そのためには、男性が男らしさを強いられてきた苦しみも分かち合いたい、もっと広い視野で性を捉えるべき、と強く熱い愛のこもったメッセージでした。

そして、2023年になった今、その動きは世界各国でますます加速し、広がっています。

ミモザの日と言われるようになった理由

Mimosa

国際女性デーの3月8日が近づくと、街のあちこちでミモザの花やミモザをモチーフにした商品を目にすることが多いですよね。その理由をご存じですか?

ミモザは、女性の強さや団結のシンボル、愛や幸福の象徴であると言われています。そのことからイタリアでは、3月8日を『ミモザの日』と呼び、男性が母親やパートナー、友人、会社の同僚などにミモザの花を贈る習慣があるそうです。また、女性同士でミモザの花束を贈り合い、ミモザの花のような黄色のケーキやパスタを作ることもあるのだとか。

イタリアでは1922年から国際女性デーが祝われていますが、1944年に発足したイタリア女性組合(Unione Donne in Italia)のシンボルがミモザだったことから、今日の国際女性デーを象徴する花になったという経緯があります。

ミモザは繊細な花のように見えて実は非常に抵抗力のある、どんなに過酷な環境でも強い生命力でどこでも育つ花。鮮やかな黄色とほのかに甘く優しい香りが気分をリフレッシュさせてくれます。鎮静作用もあることから、漢方薬として使用されることもあるそうです。

国際女性デーをお祝いしよう

Happy girls standing together

日本でも、ジェンダー平等と女性の活躍をテーマに、毎年さまざまなイベントが開催されています。

各地でプラカードを手にデモ行進が行われたり、メディアや企業による女性の権利向上と性差別撲滅を目的としたトークショーや展示会が実施されたり、女性を応援する商品やサービスなどのキャンペーンで賑わっています。

先進国の中では、女性の権利とジェンダーの平等の分野で遅れを取っていると言われることがある日本ですが、女性が働きやすい環境や女性の支援に取り組む企業、自らの考えを発信する有名人やインフルエンサーなども増えてきています。また、家庭や会社での女性の待遇に「このままではいけない……」と、一人ひとりの意識に変化が見られるようになりました。

国際女性デーは、世界が公式に、男女平等と女性の活躍を推進し、応援する日です。まずは、国際女性デーの関連イベントに参加してみるのはいかがでしょうか?自分自身の心や身体についての知識を広げたり、働く環境を見つめ直したり、気になるセルフケアのアイテムを購入して試したりするなど、新しい世界や本当の自分の気持ちを知るきっかけを与えてくれます。最近では、気軽に参加できるSNSのキャンペーンも充実しています。

知ることは、変えるための最初の一歩です。それは小さなステップかもしれませんが、知ること、行動を起こすことは大切。国際女性デーは、自分自身に意識を向ける日と考えて、ぜひアクションにつなげてみてください。

<参考>
国連広報センター https://www.unic.or.jp/
UN WOMEM 日本事務所 https://japan.unwomen.org/ja
He For She  https://japan.unwomen.org/ja/heforshe
Happy Woman Online https://happywoman.online/

執筆/岩田香菜子

No.00025

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